尿を出す時に尿道が痛むのは中々に辛いものがあります。
排尿痛は、おしっこをする際に生じる痛みで、尿道や下腹部に生じます。早急な治療が必要な疾患が隠れているケースもあり、そうではない場合も放置してしまうと腎臓に深刻なダメージが及ぶリスクがあります。
「病院に行こうか迷う」「もう少し様子を見ておこうかな」と判断に迷っておられる方は続きをご覧下さい。

病院にいくか迷ったら

軽度の痛みの場合は、「痛み」の自覚症状を確認してから1~2日以内を目安に泌尿器科クリニックの受診をお勧めします。
泌尿器科が近くに無い場合には、かかりつけ医や内科を受診し、まず緊急性と重症性を判断してもらうのも大切です。
血尿や我慢しきれない程の痛み、排尿痛以外の腹部や腰背部痛がある際には早めの受診をおすすめします。

症状の伝え方のポイント

痛みの場所や痛みの出るタイミングを具体的に伝えることが、原因の特定を速やかに行うために重要になります。

  • いつから
  • 痛みが出る場所(排尿器の先端、お腹全体にひびくような感じ
  • 痛みがでるタイミング(尿の出始め、途中、最後のほう、ずっと)
  • 痛みの程度(排尿したくなくなるほど痛い、チクチクいたい
  • 痛み以外の症状(にごっている、血が混じっている、尿が出にくい、残尿感・・・

排尿痛の原因

尿道の痛み

最近感染による炎症によって生じていることが多く、他に結石などで尿道の粘膜がダメージを受けることが原因のこともあります。排尿の最初の方で痛みが起こる場合は感染症が、最後の方に痛みを生じる場合は尿路結石や膀胱炎の可能性があるとされていますので、症状を伝える時のポイントとなります。

下腹部(おへそから下)

尿道や膀胱の炎症によって生じている場合が考えられます。女性では急性膀胱炎が多く、膀胱のある下腹部に痛みや違和感を覚える場合がみられます。男性に比べ、尿道が短いので外尿道口から細菌が侵入し膀胱粘膜に感染して発症するケースが多くみられます。

排尿痛の検査

当院は内科のかかりつけ医として、一般的な検査により緊急性と重症性を判断致します。当院で検査及び治療が困難であると判断した際には、適切な診療科及び専門医療機関をご紹介させて頂きます。

尿検査

排尿時痛がみられる際はまずは尿検査を行い「炎症や血尿」の有無を確認します。

血液検査

炎症の程度の確認や腎機能障害の有無を確認するために行います。
血液検査で膀胱炎などの感染症の有無がわかるわけではありませんが、全身の炎症の程度や臓器の機能低下等の確認に有用です。

排尿痛の治療

排尿時痛で多くみられる膀胱炎の場合は抗生剤を処方し、痛みが強い場合には鎮痛剤で痛みをやわらげつつ経過観察します。
多くの場合1日~2日程度で症状が軽減されますが、軽減したとしても医師から指示、処方された日数は必ず飲み切ってください。