腹痛は日常的にどなたにでも起こる症状ですが、緊急性が高く一刻も早く治療が必要なケースもあります。
受診科目は原因によって異なりますが、自分で原因を判断することは難しいことも多いため、かかりつけ医や内科を受診して判断を仰ぎましょう。

病院に行くべきか迷ったら

直ぐに病院を受診する症状

※ご自身で受診できない場合は救急車を呼んで下さい。
突然起こった激しい腹痛
お腹の特定の部位を押すと痛みが強くなる
生や加熱が不十分な食材を食べた後の腹痛
腹痛に加えて吐血(血を吐く)、血便がある
嘔吐物が黒っぽい
顔色が悪く、冷や汗をかいている
意識がもうろうとしている

近日中に受診がすすめられる症状

痛みが続いていたり、繰り返している
発熱、下痢、嘔吐などがある
食後などに決まって腹痛が起こる
便秘と下痢を繰り返している

緊急性が高くない症状

一時的な軽い腹痛
食べすぎなど明らかな原因がわかっていて、直ぐに改善する腹痛

症状を伝える時のポイント

  • 痛くなった時期(今朝から、2日前から、一週間前から・・・)
  • 痛む場所(みぞおちの辺り、お臍のあたり、右側、左側・・・)
  • 食事との関連(食後にいつも痛くなる、生ものや腐りかけた物を食べた・・・)
  • 痛みの度合い(立っていられない、だんだん酷くなる、いっこうに治まらない・・・)
  • お腹の痛み以外の症状の有無(発熱、嘔吐、下痢、背中や腰の痛み・・・)

腹痛の原因(病気が原因)

おなかの上側が痛むことが多い病気

  • 胃潰瘍、十二指腸潰瘍
  • 胆石症、胆嚢炎、胆管炎
  • 急性膵炎
  • 腹部大動脈瘤、大動脈解離
  • 急性心筋梗塞

下腹部が痛むことが多い病気

  • 急性胃腸炎
  • 虫垂炎
  • 憩室炎
  • 過敏性腸症候群
  • 腸閉塞
  • 尿路結石
  • 膀胱炎、腎盂腎炎
  • 婦人科系疾患

強い痛みは体からのサインですので、我慢せずに受診しましょう。また、違和感程度であってもでも、長引くようであれば早めの受診が安心です。

腹痛の原因(生活習慣)

刺激物の摂りすぎ、食べ過ぎ・飲みすぎ、便秘、ストレスなど、日常生活の中にも腹痛の原因は潜んでいます。

ストレスによる腹痛

自律神経が乱れると胃酸が出すぎたり、胃や腸の働きが悪くなってしまい、胃の不調(胃もたれ、胃痛など)、下痢や便秘になったりします。ストレスとなるモノを遠ざける事が難しい場合には、積極的にリラックス時間(好きなことをする、誰かと話すなど)を設けましょう。また軽い運動もストレス解消に効果的とされています。動画配信サイトなどを利用してご自身の体力や目的にあったエクササイズ動画を探してみるのもおすすめです。

有酸素運動

有酸素運動は心拍数を上げ、酸素の取り込みを増やす活動です。ウォーキング、ジョギング、サイクリング、水泳などが含まれます。有酸素運動はストレスホルモンを減少させ、脳内のエンドルフィン(幸福ホルモン)の分泌を促進します。

ヨガ

ヨガは身体と心の調和を図るものです。ヨガのポーズ、呼吸法、瞑想はストレスを軽減し、リラックス効果をもたらします。ヨガは柔軟性を高め、筋肉を強化するだけでなく、心の安定感を促進します。

ストレッチ

ストレスがたまると姿勢が悪くなり、頭痛やめまい、疲労感を生み、そのことがさらにストレスを生むといった悪循環になることもあります。身体を柔軟に保つためのストレッチ運動は、日常の緊張を和らげ、筋肉の緊張を解消するのに役立ちます。

アクティビティ

自分が楽しむアクティビティを行うこともストレス解消に役立ちます。趣味の活動、ガーデニング、ダンス、スポーツなど、楽しむことができる活動を選んで、ストレスだけが頭を支配することの無いようにしてみましょう。

食事による腹痛

生もの、腐りかけのものなどは食中毒による腹痛の原因となります。
また「早食い」や「ドカ食い」「唐辛子や馴染みのない香辛料を大量に摂る事」なども胃腸に負担をかけて腹痛を起こすきっかけになります。食事をゆっくり噛み、適切な食事の量を摂るように心がけましょう。

便秘による腹痛

便秘が腹痛の原因になることがあります。食物繊維を多く含む食事を摂り、水分をしっかり摂取しましょう。適度な運動も便秘の予防に役立ちます。

便秘解消のためには、食事に不溶性食物繊維と水溶性食物繊維をバランスよく摂ることが重要です。これらの食物繊維は腸の健康をサポートし、便の正常な排泄を助けます。以下に、それぞれの食物繊維とそれに関連する食材を紹介します。

不溶性食物繊維

不溶性食物繊維は水に溶けず、腸内で水分を吸収して便のかさを増やし、蠕動運動を促進します。これにより、便が腸を通りやすくなります。不溶性食物繊維を多く含む食材には次のようなものがあります。

  1. 穀物
    全粒穀物(全粒小麦、オート麦、玄米)
  2. 野菜
    キャベツ、ほうれん草、ブロッコリー
  3. 果物の皮
    リンゴ、パイナップル、ブドウ

水溶性食物繊維

水溶性食物繊維は水に溶ける性質を持ち、便を柔らかくし、腸内で善玉菌の活動を促進します。これにより、腸内環境が改善し、便秘を緩和します。水溶性食物繊維を多く含む食材には次のようなものがあります。

  1. オートミール
  2. 豆類
    レンズ豆、チックピー、黒豆など
  3. 柑橘類
    オレンジ、グレープフルーツ、レモンなどの柑橘類にも水溶性食物繊維が含まれています。
  4. 海藻類
    わかめ、こんぶ

当院での腹痛の検査と治療

当院では、かぜ症状や軽い胃腸炎に伴う一般的な腹痛を診療致します。
問診や触診、腹部レントゲン撮影、採血などから緊急度や重症度を判断し、当院では検査・治療が困難と判断した際には適切な病院や専門診療科をご紹介させて頂きます。
何処に行ったらいいかわからない場合や、大阪天王寺、上本町近辺でしたら夕陽ケ丘ながいクリニックにご相談下さい。