― 薬剤乱用頭痛という“悪循環” ―
薬剤乱用頭痛は、
頭痛を抑えるために使っている薬そのものが、頭痛を引き起こしてしまう状態です。
「痛くなる前に飲まないと不安」
「薬がないと仕事や家事が回らない」
そんな思いから薬を使い続けるうちに、いつの間にか“ほぼ毎日頭痛がある”状態になっていませんか?
目次
薬剤乱用頭痛はどうして起こる?
鎮痛薬(痛み止め)を頻回に使用することで
- 痛みを発生させる仕組みが強くなってしまう
- 痛みを感じやすくなってしまう
といった変化が起きるとされています。
この状態で鎮痛薬を使用すると、
- 一時的には頭痛が軽減するけどまたすぐに頭痛が起きる
- 薬が効きにくくなってきた
- 以前よりも頭痛が起きる頻度が増えた
など、鎮痛薬の効果減弱や頭痛頻度が増えるといった状況に陥ります。するとまた鎮痛薬の使用頻度が増えていき・・・さらに薬の効果が減弱、また頭痛頻度を増やしてしまう・・・と悪循環に陥ります。
薬物乱用頭痛の目安
- 鎮痛薬を 月10日以上 使っている
- 3か月以上鎮痛薬を使っている
- 「予防」のつもりで痛くなる前から飲んでいる
以上のような場合に、鎮痛薬が頭痛の原因になってしまうリスクが高まるとされています。
因みに鎮痛薬は、医療機関で処方されるものだけではなく、ロキソニン、イブ、バファリンなど薬局で購入できるものも含まれます。
薬物乱用頭痛の治し方
①鎮痛薬の中止
まずは、原因となる鎮痛薬(痛み止め)を中止することです。
②頭痛が起きる原因への対処
頭痛の原因の多くは「緊張性頭痛」といって、肩こりやストレス、過緊張といったものが原因のことが多いとされています。以下に、緊張性頭痛を防ぐ・和らげる生活習上のポイントをまとめてみました。
体のこりを減らす
- 首・肩・背中をこまめに動かす
- 同じ姿勢を30〜60分以上続けない
- 肩をすくめてストンと落とす動作を数回行う
- 入浴で首・肩をしっかり温める
姿勢・生活環境を見直す
- パソコンやスマホを目線の高さに合わせる
- 猫背・前かがみを避ける
- デスク・椅子の高さを体に合うよう調整
- 枕が高すぎないか確認する
生活リズムを整える
- 寝不足・寝過ぎを避ける
- 就寝・起床時間をできるだけ一定に
- 寝る直前のスマホ・PC使用を控える
鎮痛薬は頭痛の原因を取り除いているわけではありませんので、市販の鎮痛薬で痛みを和らげている間に原因となっている生活習慣を見直してみましょう。
それでもダメなら医療機関を受診
- 月に10日以上、頭痛のための鎮痛薬を使用している
- 3ヶ月以上使用している
- 頭痛の程度が酷くなってきた
- 吐き気やめまいなど頭痛以外の症状を伴うようになってきた
- 日常生活や仕事に支障をきたすようになってきた
など、鎮痛薬を使用しているにも関わらず頭痛が治まらない、酷くなってきた場合には、薬物乱用性頭痛である可能性。また偏頭痛といって少し重症度の高い頭痛である可能性があります。
偏頭痛(へんずつう)については最新治療薬が登場しており、これまであきらめていた頭痛から解放されたり、日常生活の質を改善させられる可能性が高まっています。詳しくは以下のボタンから偏頭痛のコラムへおすすみ下さい。
一人で抱え込まないでください
頭痛は、「よくあるもの」「我慢するもの」と思われがちですが、
日常生活に影響が出ている時点で、すでに相談してよい症状です。
- 痛み止めが手放せなくなってきた
- 頭痛の回数や強さが増えている
- 仕事や家事、勉強に集中できない
こうした変化は、体からの大切なサインかもしれません。
頭痛の種類や原因を整理し、薬の使い方や生活の整え方を見直すだけで、「頭痛に振り回されない生活」を取り戻せることも少なくありません。
「この程度で受診していいのかな」と迷う必要はなく、気になる頭痛があれば、どうぞお気軽にご相談ください。