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肺炎と高齢者医療における重要性
最新の人口動態統計(2024年)では、肺炎が死亡原因の第5位となっています。
市中で発症する肺炎の原因の中でも、肺炎球菌は最も頻度の高い細菌で、成人では約3割を占めるとされています。また、肺炎で亡くなられる方の9割以上は65歳以上の方とも言われており、高齢者医療においては肺炎予防の重要性が認知されています。
肺炎は様々な原因で起こりえますが、細菌感染もその一つであり、日常でかかる肺炎の原因菌で最も多いのは肺炎球菌とされています
この肺炎球菌による重症感染症を防ぐために用いられてきたのが肺炎球菌ワクチンです。これまで、ニューモバックス®(PPSV23)のみが用いられてきましたが、近年、新たに キャップバックス®(PCV21) が承認され、10月29日から全国で自費接種として利用できるようになりました。
キャップバックスの特徴
キャップバックス®は、従来のワクチンではカバーできなかった血清型にも対応しており、これまで以上に高い予防効果が期待できます。
また、接種の回数や間隔がシンプルになったことで、患者さんの負担が軽減され、より多くの方が予防策を継続しやすくなりました。
これまでの肺炎球菌ワクチンとの違い
従来のニューモバックス(PPSV23)は、免疫効果が約5年で減弱し、5年ごとの再接種が必要でした。
キャップバックス®は、この課題を克服したワクチンであり、現状では再接種は不要とされています。
接種をお勧めしたい方
キャップバックス®は、特に次のような方にお勧めされます。
- 65歳以上の高齢者
肺炎で亡くなる方の多くを占めるため、年齢に伴う免疫力の低下を補う意味でも重要です。 - パーキンソン病、脳卒中後遺症などの神経疾患がある方
嚥下機能の低下から誤嚥性肺炎のリスクが高まるため、予防効果が大きく期待できます。 - 慢性疾患をお持ちの方
心臓・肺の病気、糖尿病、腎機能障害、免疫抑制状態の方は重症化しやすく、感染予防が重要です。
接種後に期待される効果
キャップバックス®を接種することで、肺炎球菌が原因となる肺炎や敗血症、髄膜炎などの重症感染症のリスクを減らすことができます。ワクチンは100%の予防を約束するものではありませんが、「もし感染しても重症化を防げる」という点は大きなメリットです。日常生活での安心感が増し、入院リスクやその後の体力低下を防ぐことにもつながります。
接種をご希望の方へ
当院では、患者さんの健康状態やこれまでの接種歴を確認しながら、最適なワクチン選択と接種スケジュールをご提案しています。ご不明点があればお気軽にご相談ください。肺炎球菌による肺炎は予防できる病気です。適切なタイミングでワクチンを活用し、健康な毎日を守っていきましょう。
Q&A
Q1. なぜ肺炎球菌ワクチンが必要なのですか?
肺炎は日本人の主要な死亡原因のひとつで、特に高齢者では重症化しやすい病気です。中でも肺炎球菌は最も多い原因菌で、肺炎や敗血症、髄膜炎など命に関わる重い感染症を引き起こすことがあります。ワクチン接種は、これらのリスクを下げるための有効な手段です。
Q2. キャップバックス®は従来のワクチンと何が違うのですか?
キャップバックス®は、これまでのワクチンよりも持続的な免疫が期待できる新しいワクチンです。また、現在の所追加接種の必要がなく、接種毎の負担が軽減されている点も特徴です。
Q3. どんな人に特にお勧めですか?
以下の方は特に肺炎のリスクが高いため、接種が推奨されます。
- 65歳以上の高齢者
- パーキンソン病・脳卒中後遺症などの神経疾患のある方(誤嚥性肺炎のリスクが高いため)
- 心疾患・肺疾患・糖尿病・腎障害などの慢性疾患がある方
- 免疫力が低下している方
Q4. 副反応が心配ですが大丈夫でしょうか?
接種部位の痛みや腫れ、発熱などの軽い副反応が生じることがありますが、多くは数日以内におさまります。持病がある方も接種できますが、不安がある場合は事前に医師へご相談ください。当院では、体調や治療内容を踏まえて安全に接種できるかを丁寧に確認いたします。
※引用
- 厚生労働省「令和6年(2024)人口動態統計月報年計(概数)の概況」
- MSD株式会社「キャップバックス®製品情報」