皆さんこんにちは、心臓リハビリテーション指導士の東野です。
医療機関に努めていると、「よくこんな状態になるまで耐えましたね」という患者さんにしばしば遭遇します。
「調子が悪いことには気づいていたけれど、これくらいで相談に行ってもいいのか迷った」
「来週診察なので、安静にして様子をみていた」
「病院に行くことすらしんどかったので寝ていた」など理由は様々です。
どのような病気そうですが、特に心不全の悪化の場合は放っておいても良くなることは無く徐々に悪化します。
また、悪い状態を長引かせるほど心臓へのダメージが残ってしまうため、可能な限り早く対処をしたいです。
そこで今回は、心不全の悪化をいち早く察知して治療につなげていただくために、心不全悪化のサインについてお伝えさせて頂きます。
目次
1、呼吸に関連した症状
イエローカード(早めの受診)
- 動くと息苦しさを感じる
- 息が上がるのであまり動かなくなった
- 座ってるのに呼吸回数が多い(毎分20回以上)
- 風邪のような症状が3日以上持続する
着替えや入浴、家事全般など、普段と同じような生活を送っているにも関わらず、息があがる、すぐに座って休憩したくなるなどは、心臓の動きが悪くなりはじめのサインかもしれません。
レッドカード(すぐ受診)
- 横になると息苦しい、咳が出る
- 体を起こして座っていると息が楽
- じっとしていても息苦しい、咳が止まらない
- 息苦しさに加えて冷汗がでる
これらは、心臓のポンプ機能が悪化して、血液が肺に溜まり、肺が水浸しになることで起きる症状で、陸上にいながら水に溺れているような状況です。
放っておいて良くなるモノでは無く、適切な治療が必要となります。
本人に自覚が無い場合もありますので、ご家族や周囲の方が気づいて受診を促されるケースもあります。
2、体重や足のむくみ
イエローカード(早めの受診)
- 1週間で1.5kg程度の体重増加
- 足のむくみが増えた
レッドカード(すぐに受診)
- 体重増加や足のむくみの増加に加えて、息切れなど呼吸症状を自覚する場合
心臓のポンプ機能が低下すると、体に水分を保とうとする作用が強まります。
結果として、体重が日に日に増えていく、足や顔がむくむといった症状が現れます。
そんなに食べて無いのに体重がどんどん増えていく場合は、心臓の動きが悪くなり尿として排泄する水の量が少なくなっている可能性がありますので、体重増加やむくみの原因精査と対処が重要となります。
3、血圧
イエローカード/レッドカード(早めの受診)
- 普段より血圧が20~30mmHg程度高い、もしくは低い
レッドカード(すぐ受診)
- 血圧の異常と共に、めまいやふらつき、冷汗といった症状を伴う場合
症状がひどくなる前に受診を検討して下さい。ご自身で歩けない様な場合は、救急車を要請しましょう。
最後に
心不全という状態は、きっちり治療を受けていても悪くなっていまうことがあります。
そんなときに入院が必要なほどに悪くなりきってしまうと、病状の回復に時間がかかったり、後遺症がのこる可能性も高まります。
心臓の病気は可能な限り悪くなりきる前、悪くなりはじめで適切な治療介入を行うことが大切です。
こんな程度で病院に行ってもいいのか迷うこともあるかと思いますが、
迷ったらご相談下さい。
病院に行って何も無ければ「よかったですね」で済みます。
また、自分の体調の小さな変化に気づくためにも、日々の血圧や脈拍、体重の測定と記録がとても大切です。また、いつから変化があったのか、どれくらいの変化があったのかが医療者側からしてもとても有用な情報となります。
心不全症状かもしれないと思われた方は、かかりつけ医又はお近くのクリニックへご相談下さい。
大阪天王寺区、上本町近辺でお探しの場合は、夕陽ヶ丘ながいクリニックへご相談下さい。