睡眠時無呼吸とは字のごとく、眠っている間に息が止まってしまう現象で、空気の通り道である気道が狭くなることが原因の一つです。

気道を狭くする原因はいくつかありますが、肥満もその一つです。
首の周りに脂肪がたくさんついてしまうと、眠っている時に気道を圧迫しやすくなるのは想像しやすいかと思います。

さらに顎が小さいなどの骨格上の特徴が合わさったり、寝る前の飲酒などの筋肉が緩み過ぎやすい状況が重なることで発症頻度が高くなったり、重症度が高くなるとされています

寝てる間に息が止まったら・・・

息が止まったら死ぬのではないかと思われるかもしれませんが、そこは人間の凄いところです。
無意識により大きな呼吸をすることで、無理やり空気を吸い込もうとします。

狭くなった気道を無理やり押し広げて息を吸いこむので、気道が震えて音が鳴ります。
これがイビキです。
イビキがうるさい程、気道が狭く、大きな呼吸をしている証拠になります。

無意識ではあっても、息をするのに大きな力が必要なので、熟睡できなかったり何度も目が覚めてしまうといったように、睡眠の質が低下することにつながります。

睡眠時間は確保できているはずなのに、昼間眠い、頭が痛い、だるい、ずっと疲れているなどの症状に繋がります

睡眠時無呼吸を治療する理由

睡眠時無呼吸を治療する理由は大きく分けて2つあります。

1つは、昼間眠い、疲れが取れない、夜トイレが近いといった今困っている症状をとる為です。

もう一つは、患者さんが意識していない部分で、5年先10年先の健康被害を予防するためです。

わかりやすく、命を守るためと言い換えておきますが、実際のところ睡眠時無呼吸が引き金となり重大な交通事故を起こしたり、心筋梗塞や脳卒中など生活の質を大きく損なう病気になる可能性が高くなります。

睡眠時無呼吸の治療は今困っている症状を取り除き、数年先の健康被害を防ぐために推奨されています。

睡眠時無呼吸と心臓病

睡眠時無呼吸症候群のある方は、無い方に比べて心臓疾患を発症するリスクが増えることの他にも、すでに心臓疾患を患っている方にとっては病態を悪化させる要因としてもとても重要です。

無呼吸になる時間が長いほど交感神経系が活性化しやすく、不整脈や血圧の上昇と心臓に負担となる現象を引き起こしやすくなります。

また、狭くなった気道に空気を通すために無理矢理大きな呼吸を続けることも、長期的に心臓に大きな負担となります。

睡眠時無呼吸とCPAP療法

睡眠時無呼吸の治療方法には幾つか種類がありますが、治療効果を比較的早く得られるものとしてCPAP(シーパップ)という治療器具があります。

就寝時に気道が狭くならないように、常に鼻から空気を送り続ける装置です。

かなり違和感のある治療機器なので、慣れるまでにある程度の期間が必要ですが、十分に装着時間が確保できれば、目覚めた時のスッキリ感や、日中の眠気が無くなったり、疲労感が抜けるなどの症状の改善を実感しやすくなります。

また、心筋梗塞や脳卒中の原因となる血圧の値が下がるなどの健康効果も期待できます。

睡眠時無呼吸とイビキ

睡眠時無呼吸を疑う症状は、イビキです。

ご家族など周囲の方からいびきを指摘されたことがある方で、昼間の眠気や疲労感がある方は要注意です。

自宅で無呼吸の程度を測定する簡易検査もございますので、イビキや眠気が気になる方は一度ご相談下さい。