みなさん、こんにちは。
心臓リハビリテーション指導士の東野です。
前回のコラムでは
体力を回復させる「攻めの役割」について解説しました。
今回はもう一つの重要な役割である「守りの役割」について私の考えをお伝えします。
目次
心臓病は突然悪化するとは限らない
心臓の病気、特に心不全や狭心症は、ある日突然悪化するとは限りません。
即入院が必要なレベルに悪化してしまう前に次のような変化が現れることをしばしば経験します。
- 体重が増える
- 足がむくむ
- 息切れが強くなる
- 眠りの質が悪くなる
- 動悸がする
- 疲れやすさを感じる
- 体位帳面でなんとなくの違和感を感じる
これらは心臓が酸欠になっていたり、血液ポンプ機能が低下してきているサインであることがあります。
この段階で異変に気づき、早めに対応できれば、入院や重症化を防げる可能性は高くなります。
運動するだけが心臓リハビリじゃない
「心臓リハビリ=運動」というイメージを持たれる方は多いかもしれません。
もちろん運動はとても大切です。しかし、心臓リハビリの役割はそれだけではありません。
- 血圧
- 心拍数
- 呼吸
- 心電図
- 自覚症状
- 内服状況の確認
- 薬の効果と副作用の確認
などを確認しながら、安全に運動を進めていきます。
心臓や血液の流れは、直接目で見ることはできません。
そのため、血圧や脈拍、呼吸、心電図など、さまざまな情報をもとに「今の心臓の状態」を推測しています。
「症状がないから大丈夫」とは限りません
人間の身体はよくできていて、どこかの機能が低下しても、別の機能がカバーしてしまうことがあります。
そのため、患者さん自身には目立った症状がなくても、
- 不整脈が増えている
- 心拍数の変化がおかしい
- 血圧の反応が不自然
- 呼吸状態がいつもと違う
など、医療者側から見て「何かおかしいかもしれない」と感じる場面があります。
実際にこの1年以内にも、運動時の血圧反応や心電図の変化から心臓病の悪化を疑い、精密検査につながった患者さんがいらっしゃいました。
結果として、大きなトラブルになる前に治療を行うことができました。
心臓リハビリは“チームで支える医療”です
心臓リハビリの特徴の一つは、患者さんと医療スタッフの接点が多いことです。
外来診療だけでは、医師と話す時間はどうしても限られます。
しかし心臓リハビリでは、医師だけでなく、看護師、運動指導士など、それぞれの分野に長けた他職種が連携しながら患者さんを支えています。
「同じ運動をしているのに息切れしやすい/疲れ易い」
「体重が増えてきた」
「普段より心拍数が高い/低い」
など、小さな変化でも「日頃から密に関われる環境」だからこそ気づけることがあります。
「守り」があるから安心して動ける
前回お話した「攻め」が、体力や自信を取り戻すための役割だとすれば、今回の「守り」は、その生活を長く続けるための役割です。
安心して身体を動かすためには、安全面のサポートが欠かせません。
心臓リハビリは、
「悪くなってから対応する」のではなく、
“悪くなる前に気づき、支える医療” だと私は考えています。
最後までご覧頂きありがとうございました。
前回今回とで、私の心臓リハビリの考え方・・・「攻め」と「守り」・・・についてお伝え致しました。
一人でも多くの方が心臓リハビリに参加し、その恩恵を得られるようこれからも努めていきたいと思います